【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第4章 ショッピング
本当にその人物は安室さんなのか
聞くために口を開いた
『その人物って…安室透ですか?』
沖矢さんの顔を見る
特徴の糸目を片方だけ開眼させていた
沖「えぇ、そうですけど
知り合いですか?」
少し驚きながら言われた
『…いいえ』
沖「それなら何故知っているんですか?」
あぁ、また話せない事が
出来てしまった…
『すいません…言えません』
沖「そうですか」
と言いながら
ハンドルを握り
車を発進させる沖矢さん
申し訳ない気持ちになる
…もうポアロには安室さんが
働いているのか…
大体の時系列を把握していく…
ぼーっと窓の外を眺め
さっきの事を思い出す
そしてふと、思った
もういいですよ、と
沖矢さんが言ったってことは
その時すでに安室さんの姿は
見えなくなっていたから
そう言ったんだ…
じゃあそのあとの…顎クイは…
この人は完全に
私をからかっていたんだ…
一言言ってやろうと
沖矢さんの方を向く
すると車が停止され
沖矢さんもこちらを向いた
不覚にも視線が絡むだけで
どきっとした
沖「着きましたよ
…どうかされましたか?」
と、不思議そうに言われ
『な、なんでもありません』
結局何も言えなかった
沖矢さんが車を降りて
助手席側に回り
ドアを開けエスコートしてくれる
完璧すぎる仕草に
何も言うことは無くなった
どうやら大きめの
ショッピングモールに来たみたいだ
『ここなら何でも揃いそうですね』
そう言って重大な事に気が付いた
私はこの世界に
何も待たされずに飛ばされた
お金なんて1円も持ってなかった
沖「お金の事は心配しないで下さい
何でも好きなもの買って差し上げますよ」
私の心を読んだのか
それとも私の表情を見て
察したのか
そう言われたけど
申し訳なくて駐車場で立ち止まる
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