【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第25章 記憶喪失
もうすぐ空が
真っ赤に燃えるだろうと
空を見ると
ふと向こうに廃ビルが見えた
あそこなら
もっと近くで
あの真っ赤な夕焼けが見れる
そう思い足を運んだ
それが全ての間違いだった
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廃ビルの中に入るとそこは
薄暗く埃っぽかった
非常階段を上に登り掛けたその時
奥の方で何か話し声が聞こえる
耳を澄ましてみると
聞いたことのある低い声が聞こえた
ただ何を言っているのか
聞き取れなくて
少し近付くと
割れたガラスを
パキッと踏んでしまった
ジ「誰だ」
その声でハッキリと
相手がわかった
黒ずくめの組織…ジンだ
やばい人と出会ってしまった
見つかる前に姿を隠さないと
そう思い私は
非常階段を駆け上がった
ドクン…ドクン…と
心臓がうるさい
息が上がる
やっとの思いで
屋上の扉を開けた
真っ赤に燃える
緋色の空…
酷い頭痛に襲われる…
『…うぅ…』
隠れる場所など
そこには無かった
視界が揺れる
ここで倒れる訳にはいかない
フラフラする足を
一歩一歩前に出して
屋上の柵を掴んで
下を覗いた
『…ぅう…ぅあああ…!』
フラッシュバックする映像
太陽みたいに笑う男の人
ああ…
私…
あの時…
飛び降りたんだ…
緋色に燃える太陽を眺めながら…
無意識に握り締めていた
おもちゃの指輪
そのまま私は意識を手放した
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【no side】
屋上の扉が開く
愛銃のベレッタを構えながら
ジンは屋上へ足を踏み入れた
後ろにはガタイの良い
サングラスを掛けた男
ウォッカと
ブロンズの髪を靡かせる
スタイル良い女
ベルモットを引き連れながら…
ジ「ガキか…ウォッカ殺せ」
ウ「へい、アニキ」
ベ「ちょっと待ってよ
まだ何を聞かれたか分からないでしょ
何もここで殺さなくても良いんじゃない」
ジ「…なら連れていけ
後でたっぷり聞いてやるよ」
そう言い、葵は
3人に連れ去られてしまった
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