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医者と魔女

第25章 キス…した、い。








(今はまだ手は出さない、お前から求めるまではな)



この宣戦布告が脳裏を掠めながら一週間が過ぎた。

私はこの一週間釣りに没頭したり一日三回瞑想したり、ただ野菜のみじん切りに一心不乱になってみたり、襲いかかる賞金目当ての海賊狩りをこれでもかとヒステリーに痛めつけたりして、少しでもこの台詞を忘れようと努力した。

おかげで後半ペンギンとシャチは釣りに飽きてきたのか付き合いが悪くなるし、ジャンバールも私と少し距離を置いている気がする。

ベポは相変わらずだが。

とにかく、何かに没頭していないとローに全てを持っていかれてしまいそうで怖かった。

この一週間一度も目を合わせるどころかほとんど口も聞いていないし、向こうも触ってきたりしない。

というか私が避けているんだけど。

でもいつまでもあの台詞が、ローの視線が身も心にも突き刺さっていて、忘れられない。

私はもう彼の手中に捕らえられてしまったのだろうか。



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