第40章 魔女がいたことを忘れない。
夕日を浴びながら甲板に並ぶ二人をニヤニヤしながら眺めていたクルー達。
邪魔しちゃ悪いけど、シャチは何か思い出したようで呼びかけた。
「あっエリナ!」
振り返るとみんなこちらを見ていた事に気づいてエリナはちょっと驚く。
「んー?何シャチ〜?」
「一つ言い忘れてたー!」
「ええー?」
カモメが鳴いてシャチが何て言ったのか分からなくて耳を澄ます。
だけど次に聞こえてきたメッセージとみんなの顔は私の心に一生刻まれる事であろう。
「せーの! おかえりーーー!!!!」
「っ!」
隣にいるローは相変わらず夕日を映す海面を見つめている。
見れば彼も小さく笑っていた気が。
目をつむり風の匂いを感じる。
深呼吸してうっすらと月を浮かべる夕焼け空を仰いだ。
みんなに負けないくらい満面の最高の笑顔で。
「ただいま!!みんなー!!!」
END