第23章 それだけは言っちゃだめだベポ!!
二人の間の誤解は解け夜が明けた。
あの後は私は自分の失態が恥ずかしいわ余裕綽々なローが悔しいわで、耐え切れずその場から逃げるように適当な言い訳をつけては部屋から飛び出た。
思い出しても恥ずかしい。
完全に心を読まれていた事と、またキスされた事。
そしてローの優しい手と眼差し。
こそばゆい心を自制して、私はいつも通りクルーの朝食の準備に取り掛かる。
島へ上陸して迎える朝は大概みんな二日酔いだから胃に優しいものを作るように心がけている。
そしてほぼ皆、食堂へ決まった時間には来ない事が多い。
「あっ、おはよーエリナ!」
明るいハツラツとした声が響いたと思えば、一番に食堂にやってきたのはペンギンだった。
どこか表情はスッキリしている。
「あれ?ジャンは?」
「まだ寝てるみたい」
「ったく〜」
どこか晴れやかなペンギンにその訳を理解したエリナは内心良かったね、と思いながら朝食を持って行ってやった。
その後もポツポツと食堂に顔を出してくるクルー達。
皆顔はむくんで、頭痛が辛そうだった。
「あ〜…エリナのお粥体に染みるぜ」
「悪りぃなエリナ…任せてしまって」
荒れた胃に優しいお粥を流し込むシャチの隣で申し訳なさそうに謝るジャンバールへエリナはニコッと笑った。
「いいのよ別に」
ボサボサの頭もそのままに食事を取る皆を微笑ましく眺めていたら、ふかふかの帽子が嫌でも目に入る。
ローが来た。