第22章 ほっときゃあとんだ言われようだな。
「んふっ…」
二度目の、あのキス。
頭が体が覚えていて。
身も心もとろけてしまいそうな、一方的で強引なのに優しくてどこまでも甘いそのキス。
体が熱くなるのを感じた。
「んっ…ふ、ろぉ…っはぁ!」
長いこと唇を吸い尽くされ、涙で霞む視界の中虚ろな眼差しでローを捉える。
「はぁ…っ、ねぇ…一つ聞きたいんだけど…」
肩で息をしながらローへ問う。
「…やきもちやいてたの…?」
ローの瞳は僅かに見開いた。
そしてバツが悪そうに視線を外す。
「うるせぇな…今は関係ないだろ」
「関係あるよっ、…だって…ローの事…」
耳まで真っ赤にして、自分の服の裾をギュッと摘まんだ。
その先は恥ずかしくて口を紡いだ。
「ねぇローはどうなの?…その……」
「言わせんなよ…もう分かるだろ?馬鹿かお前」
「えっ!ずるい何それ⁉てか馬鹿って!」
「そのうるせぇ口、また塞いでやろうか?」
「…っ!」
悪戯に笑いながら、ローは無意識にエリナの頬に流れる涙の筋を親指で拭ってやった。
そんな事されたのは初めてで、なんだかもどかしくて、くすぐったい。
頬に触れる暖かい温もりと優しい眼差しにまた涙が出そうになった。