第20章 意味わかんない。
「いやいやあのさ、いつ私が男とイチャついてる暇あんのよ⁉悪いけどこっちは誰かさんのおかげでそれどころじゃなかったんだけど」
「ああ?白れぇ軟弱な野郎とずいぶん楽しそうだったじゃねぇか」
エリナの噛み付く態度にローも皮肉そうに言い放つ。
「…植物園の彼?」
「……知らねぇよ」
「見てたの」
「やましい事でもあんのか」
なんだなんだ。
この責められている状況は。
「人の楽しみを覗くなんて悪趣味ね」
「たまたま通りかかっただけだ」
「てゆーか何でそんなに怒ってんの、情報収集しなかった私も悪いけど、そもそもそうなった理由は何だと思ってんのよ!それにどっちが気に入らない訳?男と話してる事?船長命令聞かなかった事?だいたい私が誰と話してようがあんたに関係ないじゃない!」
よし、言ってやった。
手は強く拳を握りしめていて。
興奮したのか体温がかなり上がった気がした。
「…………」
険しい表情で暫く黙っていたローは、短く舌打ちをして私の横を無言で通り過ぎて行った。
え、何なの。意味不明だ。
マジわかんないあいつ。
エリナは自室に入り、こん絡まる思考に疲れて勢い良くベットへ倒れこんだ。