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医者と魔女

第20章 意味わかんない。






島へ上陸した後、資材やら必要品を買い終えたハートの海賊団は直ぐにでも航海へ発つ予定だったが、キャプテンの一言で何日か停泊する事になった旨を電伝虫で知った。

ペンギンによると、どうやらジョーカーに関する骨のある情報を得たとか。


今頃シャチは訪れた今宵の楽しみに嬉々しているだろう。


夕闇が漂う中、昼間の出来事の後船に戻る気もしなくてエリナは街中をただ歩いていた。
電伝虫によるペンギンとの会話もよく覚えていない。

この島の情勢と情報を得ろと言われたのは覚えているが、それ所ではなかった。

原因は一人しかいない。
ローだ。

なんであんな事にしたの。
思い出しては心が跳ねて、煩い。
そしてモヤモヤと曇る。

ぼーっと街の景色を眺めていると私の奥義、植物センサーが働いているかと思えば道の少し先に植物園の看板が目に入った。

ほ〜
ちょっと気分転換でもするか…


新世界の植物園とは酷く興味深い。
ここは熱帯ではないからおそらく年中安定した気候で季節によって様々な野草や花の変化が楽しめるんだろう。

足取り軽やかに窓口でチケットを買って、未知なる園内へ足を踏み入れた。

中々敷地は広く花の強い香りとグリーンが溢れ返っている。
異空間のそこは何度見ても癒されるし、植物の力強さを感じる事ができる。

「へ〜初めて見るこれ…爪蓮華…お!三日月ネックレスのロゼットだ、可愛い〜」

エリナの頬は自然とほころんだ。

暫く園内を歩いていると、中々お洒落なカフェを見つけてちょっとお茶でも飲もうかと、カランカランと心地よいベルの音を鳴らし店内へ入る。

お好きな席をどうぞ、と言われたので解放的なテラス席を選んだ。

パラソルとチェアがあって、花と街の景色を望める。

エリナは店オススメのハーブティーを頼んだ。

運ばれてきたそれは、とても深い良い香りがして、目を閉じてその香りを満喫する。
心が落ち着いた。
そして一口、口に運べば口内に広がるフレッシュなハーブの香りに酔いしれる。

「ん〜…いいじゃない」
「いい香りでしょ?」
「え?」

予期せぬ返事にエリナは声が聞こえてきた方を見る。

それは隣の席に座っている一人の男からだった。
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