第4章 ゴゴゴゴゴ
「痛っ…ちょっともうちょっと優しく出来ないの⁉」
「ああ?こうか?」
「いててて!逆逆!刺し直してどうすんのよっ、てか絶対ワザとでしょ、あんたそれでも医者なの⁉」
「ああ?それが助けてもらってる身か?」
嵐の中、島からどうにか脱出出来たハートの海賊団は医務室でクルーが取り巻く中、ローによるエリナの傷の手当が行われていた。
そんな中繰り広げられる二人の会話にペンギンとシャチは絶句だった。
「なぁシャチ…エリナって色んな意味で何者なんだ…?」
「知らねぇよ!とにかくキャプテンに引けを取らない肝っぷりだ…」
一つ一つピンセットで丁寧に抜かれて行くガラスもようやく最後の一つが終わり、エリナはやっと終わった、と両手を挙げ体を伸ばす。
「ありがとうございました。じゃあコキア島の姉妹島に落としてよ。追って来る気配も無いし船止められるでしょ?」
「何言ってんだ。ここは海ん中だ。それにまだ嵐だろう」
「えっ⁉…潜水艦ってこと⁉」
消毒液とピンセットを手際良くしまうローの横を通り過ぎ目を輝かせながら窓の外を見たエリナ。
「それにこの船は速度が早い。ただでさえ巻いて出してるから、もう大分離れている」
「そうなんだ」
少し考えふけるエリナだが内心は初めての潜水艦に心がときめいている。
丸窓可愛い〜
すご〜い♪