第15章 却下だ、理由がねぇ
「まさしく魔女に見えたぜ」
ジャンバールは片眉を上げジョッキを傾けた。
「まぁ気味の悪いショーだったがな」
「うるさいわよロー」
飲み干したジョッキをテーブルにダン!と起き白い目を向けるローを睨みつける。
「そもそもあんたに言われたくないわよ、人体バラバラにする方がどうかと思うわ」
「ああ?俺に口応えするな」
「まぁまぁ二人とも…」
険悪なムードにベポが仲裁するが、
「よし!いいわよ飲み比べして甲乙決めようじゃない!」
「はぁ⁉」
意気込むエリナ以外、全員困惑気味。
「なんでそうなるんだよ〜」
シャチは苦笑い。
「別に俺はお前と甲乙つけられるレベルじゃねぇから興味ねぇが、この俺に喧嘩を売った度胸は買ってやろう」
愉快に嘲笑うローに向かいエリナは鼻を鳴らす。
「あ〜らどの口が言ってるのかしら?今までこのあたしに酒で勝った奴は見たこと無いわよ?」
「後にも先にも俺が一人だな」
「ふふ、今に後悔するわよ」
こうしてエリナとローの飲み比べが始まったのだ。