第14章 面白れぇもん…見せてもらおうじゃねぇか
「良かった無事で…!」
「お姉ちゃんママは…?僕なんでこんな所へ居るの?…みんな神様の所へ行くって言ってる」
「…⁉ 暗示が解けてるのねオズ!」
オズは何故か他の子より早く、かけられていた暗示が解けていた。
目が醒めた今、この状況に不安を感じ見覚えのあるエリナを見つけては駆け寄って来たのだ。
エリナは暗示が一定の時が経てば解けるのだと安堵する。
「良かった…!今皆を助けるからね」
「おい!子供が一人逃げてるぞ!」
「…!」
見つかってしまった。
すると車内に乗っていた男二人も慌てて出てくる。
「あのおじさん達のせいでみんな誘拐されたんだ…!」
勇敢にもオズは男達を指差し睨んだ。
「⁉ 畜生あのガキ暗示が解けてるぞ!」
「なんだと⁉…チッ、面倒臭ぇ殺せ」
短く男が告げた後、無情にも銃は少年へ向けられた。
そして乾いた音が響く。
ーパン!
「オズ⁉」
膝から倒れる少年。
地面を這うように流れる真赤な鮮血。
うずくまり顔を歪めるその光景を前に、エリナは糸が来れた。
「…エリナ⁉」