第13章 生憎格違いなんだよ
「あーあ、これであんたは一生体を取り戻す事は出来なくなっちゃった、助からないわね」
バラバラにされても生きられるのか、また体がくっつくのかはローでないから分からないけど、頭と足を結び付ける胴体を撃ったのだからどのみち元の姿には戻れない。
「ぅうッ…俺まだ死んでない⁉」
吹き飛ぶ胴体を目にし絶句するラザール。
「まだ死んでないわよ。まぁこの後の返答次第だけど」
ジャキンと銃口を顔の正面へ向ける。
「神の使いなんて嘘、あんたは人を操って人身売買をしていた、間違いない?」
そう言って銃を鼻へ当てがう。
「…拷問だなありゃ」
ローは目を細めた。
「そ、ッ、そうだ…!あっ、あんたの言う通りだ、悪かったよ!」
観念したのか正直に答え許しを乞うラザールにエリナはニコッと微笑む。
「さようなら」
「…⁉」
ラザールの脳天目掛け銃を放った。
辺りに鮮血がしぶき、返り血がエリナの肌と服を汚す。
顔のそれを無表情で拭い取りその辺りで縮こまっているであろう報告に来た使用人を探す。
見つけると彼も同じくローによってバラバラにされており、死んだ国王とエリナを震えながら見ていた。
「子供達はどこへ行ったの」
「と、トラックで船に…ッ、人攫いが…!」
「急がなきゃ…ッ」
悪い予感が的中していなければ良い。
とにかく今は一刻も早くそのトラックを止めなければ。
「ロー!急いで…って何遊んでんのよ!」
自らバラバラにしたラザールの足と使用人の胴体を使い気ままに積み木かのように組み立て始めている彼に檄を飛ばす。
「ああ、暇つぶしだ」
「趣味悪ッ、ていうか時間ないからマジ早くして」
エリナとローは街へ急いだ。