第12章 なんで俺の方が変装濃いんだ。
「全て準備は整いました。皆さん流れは把握出来ましたか?」
「う、うん…でもエリナ、その変装グッズどっから入手したんだ…?」
「うるさい」
市街地から少し外れた裏道で、エリナ率いるハートの海賊団は最後の打ち合わせをしていた。
命名されたミッション名は国王素生暴露大作戦。
エリナとロー(ほぼエリナ)が店で用意した衣装はそれはそれは不自然で良い意味でやり過ぎていた。
ローはくりんとした付け髭に帽子は取りマントを頭から被っている。
エリナもマントを着ているが、後はカツラを被る程度でそこまで変装もしていなかった。
「おい、なんで俺の方が変装濃いんだ」
「うるさいわね、あんた顔が割れすぎなのよ」
「それを言うならテメェだってそうだろ」
「女子は変装しなくても七変化が得意なの♪」
「確かにそうだ、女は怖ぇ…」
「なんか言った?二人とも」
「いっ、いや!」
こうしてエリナとローは直接国王へ接触に。
ペンギンとシャチ、ベポとジャンバールは情報収集と援護と言う形で作戦は始まったのだ。
「えっとね…確かこっちよ」
森を歩き始め15分程、だんだんと緑色のお化け屋敷と化す社が近づいてくる。
「ていうかこのマント暑」
「お前が決めたんだろ」
マントの裾をバタバタと扇ぎ、少しでも風を起こす。
ローをジッと睨むが、堪えきれずぷッと笑いを零す。
「そのちょびヒゲ似合ってるよ」
「元が良いからな」
「うわー自意識過剰〜」
「お前もマント着たら少しは魔女らしく見えるけどなぁ?」
「うるさいわね」
そんなやり取りを交わしていると、話し声に寄ってきた門番が二人を遠くから確認していた。