第7章 チッ、あの女…っ!
甲板ではよくベポがお昼寝をしている。
お日様の下、白いもふもふの毛を見ているとなんとも言い難い気持ちがこみ上げて来て。
お邪魔しまーす…
エリナはベポに寄り添い一緒に昼寝をした。
「なんだ…これは…」
航路の打ち合わせを終え自室へ戻ると部屋の隅にセットされた物干し棒を見てローは呆然とした。
堂々と女物の下着一枚干されている光景に目を疑う。
「黒か…」
が、ここは冷静を取り繕いベッドに腰掛け読みかけの本を広げる。
「……………」
ダメだ内容がちっとも頭に入らない。
あの女…ッ!
ローは下着を乱暴にひっぺがし犯人を探した。
犯人はすぐ見つかったがその光景にまたもや呆れた。
と同時に自分がチョイスした服のセンスに満足するが、今はそれどころではない。
甲板で寝転び服の下から淫らにさらけ出されるスラリと細い白い脚。
服の裾がめくれ上がり、とても悩ましい様子だった。
下着は身につけていないと言うのに。
しかし呑気に寝息をたて至極気持ち良さそうに眠る彼女を見てローはこみ上げてきた気持ちが抑えられなかった。
「おい!」
「ん…」
目を覚ましたエリナへ怒鳴る。
「お前よくもこんなもん俺の部屋に干しやがって…!」
ほん投げられた物を見てエリナは目が覚めた。
「あっ!ちょっと…!投げなくたっていいじゃない⁉」
無造作に投げられた自分の下着を拾いローを睨む。
「それにお前、こんな所でそんな格好で寝やがって…自覚しろ」
「へ?だってベポと一緒…」
振り返ればベポの姿はなかった。
それからめくれ上がる裾に気づき、そっとそれを手で直す。
あちゃ…
「…えへへ」
苦笑いを向ければローは盛大な溜息と共に踵を返し去って行った。