第6章 ふっふっふっふっ
シャカシャカ
シャカシャカシャカシャカーーーー
「なんで俺も手伝わなきゃいけないんだよー」
「そこぅ!文句言わない!」
「お前が言うなッ!」
デッキブラシ片手に床掃除をしているクルー一行。
見兼ねたジャンバールとベポも手伝ってくれて、総出で床を磨く。
愚痴を零すシャチにすかさず注意したら案の定突っ込まれたエリナは何とか場を盛り上げようと労いの言葉をかける。
「ごめんねみんな、美味しいイカ料理振舞うからさ」
「女の子の手料理なんて、何年口にしてねぇんだろう…まぁそこに免じて許してやるよエリナ」
なんだかんだ言ってシャチだって楽しんでいたし、エリナの手料理が食べれると内心ワクワクしている。
「俺イカ好きだー!楽しみだな」
ベポはとても嬉しそうにしながら床を懸命に磨いている。
いやーみんなよく働くわ!
男はこうでなくっちゃね!
「おいエリナ、お前そこから全然動いてなくないか?」
「エ?」
ペンギンが冷静に突っ込む。
あっちこっち動き回るみんなとは明らかに違い、エリナはさっきからずっと同じ場所を磨いている。
つまり自分の回りしか磨いていないという事。
「やだなぁ、私一点集中型なの」
磨いてるよ?
自分を中心に直径2メートルくらい。