第6章 ふっふっふっふっ
「ねぇ、今日はこのイカの料理、私に任せてくれない?」
「ああまぁいいが…あんた料理出来んのか?」
「ふふ、これでも腕に自信はあるのよ」
「ほう、それは楽しみだ。俺も手伝うぞ」
さっそくイカを運ぼうと取り掛かった所、辺りを取り巻く不穏な空気を察しエリナは手が止まる。
「どうしたの?…あ、」
階段の上からこめかみに青筋を走らせこちらを見下ろしてるローに気付いた。
「うそ、イカ嫌いだった?」
せっかくこんな大きな獲物をゲットししばらくは食べる物に困らないと言うのに。
「よく見ろ…床」
「え?」
顎でさされ確認すれば確かにそこら中あちらこちらイカ墨で汚れ散々な状態だった。
しかもかなり生臭い。
「お前よくも俺の船を…!」
鬼の形相で拳を握るローを見てエリナも流石に背筋が凍る。
「ごめんごめんっ!でも今夜は美味しいイカ料理振舞うから」
上目遣いで許しを乞うたのが効いたのか、
「…チッ、とっとと掃除しろ。おいペンギンとシャチお前らもやれ」
「「えええ⁉俺らも⁉⁉」」
バタンッと扉を派手に閉め去っていった。