第40章 魔女がいたことを忘れない。
「ねぇ…海軍本部って何階あるか知ってる?」
「ああ…多分ここは30か40辺りだろ」
目の色一つ変えず答えたロー。
「いやいやいやいや!…ちょ、待っ…⁉︎」
バリーーーン!!!!!
窓を突き破ったロー。
エリナは必死にローへしがみつく。
下なんて見れなかったけど、つい目に入ってしまったから。
「ぎゃー⁉︎ロー高すぎ!死ぬ!!」
「うるせぇな」
想定通り高いフロアから飛び出した二人。
急降下しながら喚くエリナへ舌打ちをしながらローは左手を這わす。
「ROOM」
二人を包むサークル。
顔を青ざめさせていたエリナはさっきから景色が転々としている事に更に驚く。
「あんた瞬間移動も出来るようになったの〜⁉︎」
「いちいちうるせぇな!こんなのは前からだ」
「ぎゃ〜いいから早くして〜!!!」
「お前高い所平気だろ?」
「そうだけどこの二年考えてよ〜⁉︎怖い怖い!」
「ふっ…元気になってきたな」
だんだんと自分の知ってる彼女が垣間見れるようになってローは安堵する。
振り返れば海軍本部から大分距離を離す事が出来た。
追ってくる気配もないが、それが逆に気持ち悪かった。
「仲間が待ってる。急ぐぞ」
その言葉にエリナはどくんと胸を鳴らす。
仲間ー
みんなに早く、会いたい。
そして謝りたい。