第6章 ふっふっふっふっ
ローへの忠誠を誓った元奴隷のジャンバール。
彼はクルーの中で一番料理が出来たので、ほとんどの食事は彼が用意している。
勉強好きで知識の多い副船長のペンギンは航海士。
ベポは海図を書くのが好きみたいだが、その出来はいつまで経っても上達しないらしい。
たしかにあの分厚い肉球と爪は邪魔するよな…。
シャチは船の修繕や機械をいじるのが得意みたい。
みんな戦闘もなかなかの腕利きで人数で不利な状態などなかったと語る。
すごいや…
で、船長は何してるの?
「キャプテンなら大概部屋に引きこもってるな」
「あー、まぁ根暗なタイプだったもんなぁ」
船内の案内を済ませたペンギンとエリナは船の縁に腰掛け今晩の食材獲得がてら釣りを楽しんでいた。
「本当大変でしょ、あれ」
あれ、が何をさしているのかは言わなくともペンギンは分かった。
「まぁ…仲間思いなんだけど人一倍自分主義で自信家だからな」
ペンギンの瞳は哀愁を漂わせ遠い地平線を捉えていた。
「でもキャプテンは有言実行して見せるし揺るぎない自信と野心を持ってる。俺達はあの眼に惚れたのさ」
嬉しそうなペンギンの表情にこちらまで笑顔になってしまった。
「そっか」