第5章 生物学上も女です
「ちょっともうちょっと優しく渡せないの?」
聞いても知らんぷりを決め込むローに呆れるもエリナは彼の優しさに苦笑いする。
「ロー…傷の手当、ありがとね」
返事なんて期待していなかったから。
「………俺も青キジとは今やりたくない。…こっちこそ助かった」
返ってきた台詞は眠気が吹き飛びそうな衝撃だった。
「あんたも少しは人として成長したね」
「お前の後先考えない無茶な行動はちっとも変わんねぇな」
「…………」
褒めて損した、と後悔。
ぼーっと天井を見つめているとだんだん瞼が重くなってきて、エリナはいつの間にか眠りに落ちていた。
その様子に気付いたローは部屋のメイン照明を消し、ベットサイドの小さいテーブルランプをそっとつけた。