第29章 そのつまらなさ過去ワースト3に入るで。
「ベポ、獲物はじっくり待った方がその甲斐を倍増させる。ワンピースは必ずこの手で捕まえてやる」
なだめながらも説得させる。
自信と野心で燃えたぎる眼差しをのせて。
「「キャプテン最高ーー!!」」
ペンギンとシャチがハイテンションで甲板を飛び上がる。
エリナはその光景に困ったように笑っていた。
「じゃあ皆願い事ないの?」
「ああねぇな、エリナに任せたよ」
「好きにしな」
「…そっか」
そんなこんなで会議はお開きになった。
エリナは自室に戻り机に置いたランプを見つめて溜息を漏らした。
「はぁ、そう言われてもなぁ…」
「決まらへんのかい?姉ちゃん」
ランプの質問に口をへの字にさせながら天井を仰いだ。
「うーん、そうね…とりあえずこれ脱いでいい?」
考えても決まらないエリナはチャイナドレスから着替えようとジッパーに手を伸ばす。
しかし背中のジッパーはびくともせず下りるのを拒んだ。
「え⁉マジで脱げないの⁉これ」
「当たり前や、嘘かとおもたか?」
エリナは開いた口もそのままに固まった。
「あんたすごいわね、わかったわよ」
こりゃぼちぼちゆっくりも出来ない。
スリットが深く入ってるので足は上げやすく動きやすいし戦えなくはないけど、その時は色々丸見えだな。
エリナは冷静にそんな事を考えた。
「あ!わかった、私の願いこれを脱がせてもらうこと」
「えー」
「なんでお前が反対すんだ」
「ほんまにそれでええの?そのつまらなさ過去ワースト3に入るで」
「…むむ」
そんな事言われると。
まさかこんなに重大な決断を迫られるなんて。
「そうだなー…」
エリナはローにもう一度相談する事にした。