第30章 マジで脱げねぇじゃねぇかこれ…。
「ねぇこの匂い私の部屋まで来てるんだけど」
ローの部屋を訪れると未だ何かの実験なのか調合なのか薬品や生薬の匂いが部屋に充満している。
換気のため窓を開けるエリナの後ろ姿をローはじーっと目で追っていた。
「お前それさっさと脱げ」
「だから!脱げないの、願い事叶えないと」
ふてりながら昔よく寝たソファへもたれかかり足を組む。
「ふざけんな…クルーの前でむやみに肌晒すんじゃねぇよ」
ローの言う事は最もだ。
足を組んだ事で、スリットから零れ出る白い太ももが淫らでたまらなくローは気に食わなかった。
胸元もハート型にくり抜かれたそこにはたわわなバストの谷間がお披露目している。
まるでキューティ○ニー。
普段エリナは肌の露出が全くないという訳ではないが少なからず女に飢えてるクルーの前でこの姿で歩かれては生き地獄だろう。
「だって…ペンギンの願いがこれだったんだもん」
ローはそうだったとクルーの程度の低さに溜息をついた。
「…チッ…俺の肌を他人に晒しやがって」
「私悪くない」
突っぱねてチャイナドレスの綺麗な刺繍を見つめていたらローが近付いてくる気配が。
無表情に見える表情で隣に座ってきた。
「ちょ…」
顎をくい、と引かれ見つめられる。
キスされる…っ
「ちょっと待って!」
「……」
必死さが伝わったのか珍しくローは近づける顔を止めてくれた。