第29章 そのつまらなさ過去ワースト3に入るで。
「んーと、ベポとシャチは釣りしてるだろうから甲板でいっか」
「何がだ?」
「え?決まってるじゃない、ペンギンは男部屋に行ってジャンバール呼んできて」
「お、おう」
「開けるよー」
返事も待たず扉を開けると住人は何やら机に向かって本と睨めっこしていた。
そばにはもくもくと煙を焚かせたビーカーがあった。
「臭っ、何この匂い…ねぇローちょっと甲板にきて」
そう言われマドラーを持っていた手が止まりローは初めて訪問者を見やる。
「お前コスプレ趣味だったのか?」
「白い目で見るな!違うわよ事情があって…それを今から話すから甲板に来て」
「…………」
頭からつま先までエリナを一通り見たローは不機嫌を貼り付けたような顔を浮かべた。
「お前…」
「どう?似合ってるでしょ?」
その答えを待たず、
「とりあえず早く来て」
それだけ行ってローの部屋を後にした。
「はい、皆さんお集まりですね」
「なんだってんだ?キャプテンまで集めて」
シャチは釣りを中断しエリナに問いた。
鼻にティッシュを詰めながら。
理由はペンギンと同じだ。
「えーと、倉庫でランプを見つけたんだけどそれが願い事を叶えてあげるって言うのよ」
皆は不思議そうにエリナを見つめた。