第26章 悪りぃがとまらねぇ。
「ぅン…!ん…ふ、ンン」
キスは強引で一方的なんだけど、どこまでも甘くとろけてしまいそう。
何度したって、そう。
「チッ…」
「…?」
唇を離し、舌打ちをするローの様子を疑問に感じる。
「どしたの」
「あ?いや……一度抱いたらキリがねぇ」
その表情は自重と欲情を乗せて。
ローに背中を支えられながらゆっくりとベットへ押し倒される。
「悪りぃが止まらねぇ」
「えっ⁉嘘でしょ⁉ちょっと待ってよ!」
エリナは突然の展開に焦る。
だってこんな真っ昼間だし…
ちょ、マジで待って…!
アワアワしていると、くくくく…と喉の奥を鳴らして笑いを堪えているローに気付く。
「くく…冗談だぜ。無理はさせねぇよ」
言ってベットからパッと離れたローをエリナはただ呆然と見る事しか出来なかった。
「〜〜〜〜〜!!!?」
遊ばれた…!
私は瞬間湯沸かし器のように今にも全身から湯気が出そう。
「だが…覚悟しろよ?」
怪しく笑って部屋を後にするローをエリナは硬直したまま見送る。
ベポに飯持ってこさせる。
その台詞さえ耳に入らなかった。