第12章 痕
要さんにやっと会えたのはかれこれ三時間前になる。
1人、外に出ることすら叶わず、たまの来訪者に怯えることしか出来ず、空虚な1週間を過ごした。
そして、やっと……。
「お、おかえりなさ…!」
「悪かった」
その綺麗な顔が歪みながら、私はあっさりと呑み込まれていく。
「集中しろ」
「ひやぁっ!ごめんなさい…!」
いきなり指をさしこまれ、急な強い刺激にびくりと腰が震える。
会ってからずっと、この波を迎えることのない状態で、はしたない身体は限界だった。
「も、もぅ、おねがい…」
小声で何度も言ったのに、それは届かない。
「まだだ」
また同じ言葉を繰り返される。
それでも、刺激は舌から指へとかわり、一気に強くなる。
「…っ!!!」
さっきまで柔らかな舌で触れられていたところの丁度裏側に、長くて細い指が擦れる。
目の前がチカチカするような衝撃に、思わず目を見開く。
声すら出ない。
そして今まで止められていた物がまとめて来ることに、怖くなる。
「ま、待って…!」
「ああ?」
「……っ、ぁ、こ、こわい…」
それでもまた指を抜かれ、抑えつけられる。
「欲しい癖に…」
「んっ…」
耳元で言われる低い声にビクビクと肩が震える。
「ぁ、やだ、いわないで…」