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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


え…?

あたし泣いてる?

青峰君に言われて自分の頬に手をやるとなぜか濡れてて、自分が泣いてたんだって気づいた。

寂しいって思ってたのは事実だけどまさか泣くなんて思ってなかった。

「あのっ…ちがう…泣いてない」

大きくて温かい手があたしの頬をそっと撫でて涙を拭ってくれた。

「また連絡する」

「うん。あたしもしていい?」

「いつでも待ってる」


あたしの頭を撫でて、今度こそゲートの奥に行った青峰君を見送って大我の車に戻ると、二人が起きてて飛行機が飛ぶのを見送るってみんなで外に出た。


選手の乗った専用機がゆっくりと滑走路を滑りだして、徐々に加速して機体が宙に浮いた。


一度緩んだ涙腺がまた緩むのに時間はかからなかった。

小さくなる機体が滲んでボロボロと涙がこぼれて止まらなかった。

「みさき…」

「また会えるよ」

分かってる。でも寂しくて堪らない。
ちゃんと笑ってお見送りしたかったのに、涙が勝手に溢れて止まらなかった。


青峰君と会ってさよならをする度に寂しさが大きくなっていく。
きっとそれはあたしが青峰君を好きな気持ちと比例してる。


うずくまって泣くあたしの頭をポンポンと大我の大きな手が撫でた。

「お前よかったな」

「なにが?」

こんなに寂しいのに何がよかったの?全然よくない

「ちゃんと好きだって思える奴ができて。恋愛は脳内物質の異常分泌が起こす勘違いだなんてもう言うなよ」

勘違いで片付けられたらどんなに楽なんだろう。

でも勘違いで片付けられないからこんなに寂しいって思うし、会えた時は嬉しいって思うんだよね

「うん。わかった…」


立ち上がってみんなに慰められながら車に戻ると、さつきがあたしに小さなブランドの箱を渡してくれた。

「これ大ちゃんから渡しておいてって頼まれたの」

「開けていいかな?」

「いいと思うよ」


スマホを変えた時に気にいるデザインがなくて付けてないって言ったことを覚えててくれたのか、箱の中にはスマホに付けるリングが入ってた。

どうして青峰君が選ぶものはいつもあたしが好きなデザインなんだろう。


「みさきいいのないって言ってたけどそれちょー可愛い」

「青峰さんってみさきの事ほんとよく分かってる」

「…それ、あいつと色違いじゃね?」


「使っていいかな?」

「「「当たり前」」」
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