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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


翌朝、私たちより早いフライトで次の試合の開催地に移動する青峰君のお見送りに空港に入る。

フライトとは言ってもビジネスジェットでの移動で、一般のお客さんと会うことのない専用エリア。


専用ポート前で青峰君を降ろしてから駐車場に車を停めて、みんなで降りると思ってたのに、少し前から静かになった2人を見ると寝てる。

「大我、あたし待ってるから青峰君お見送りしてきて」

「馬鹿…お前が行け。7月までまた会えねぇんだぞ」

「そうだけど…あたしが行ったら変じゃない?」

「変じゃねぇ。さっさと行け」

大我にそう言われて、車を降りて専用ポートの前に行くと青峰君が入らずに待っててくれた。


「ごめんね。二人とも寝ちゃって……お見送りあたしだけになっちゃった」

「あいつら昨日遅くまで騒いでたらしいからな」


専用エリアに入って搭乗者だけが通れるゲートの前で青峰君とお別れする。

他のチームメイトもいるからさすがにあの時のように抱き付くことはできない

「気をつけてね」

「みさきも気を付けて帰れよ」

「うん。いっぱい色々ありがとう」

「こっちこそありがとな。またな」

背を向けてゲートをくぐったのを見届けてあたしも車に戻ろうと思って歩き出した。














寂しいって気持ちが溢れて足が止まりそうになった時、急に腕が引かれてあたしの大好きな青峰君の匂いに全身が包まれた。


「シーズンオフにそっち戻るから絶対ぇ男作るなよ」

「できない」

「分かんねぇだろ?」

「分かるの」

だってあたしは青峰君しか好きになれない

「ミラノ頑張って来い」

「うん。青峰君も試合頑張ってね」

「軽井沢…忘れんなよ」

「楽しみにしてる。でも彼女ができてなかったらでいいからね」

「できるわけねぇだろ」

すっごくモテるんだからその気になればいつだってできちゃうよ…
でもこんな風にされたらあたし本当に勘違いしそうになる。
この腕が自分のためにあるって思いたくなる


『ダイキ時間だ』

ゲートの奥から試合の時に会ったチームメイトが声をかけてくるのが聞こえて、もう離れなきゃって思ったら急に自分の下げたままの腕を青峰君に回したくなって、強くぎゅっとした



「みさき…」

名前を呼ばれてハッとして腕を離すと、青峰君がそっと体を離した。





「泣くなよ…」
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