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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


青峰だけ早いフライトで出発することが分かってて、昨日桃井が黒子と電話を終えて戻ってきたときに言われた。


「明日の大ちゃんのお見送りはみさきだけにさせてあげたいの。あたしと美緒は寝たふりするから、かがみんは上手いこと言ってみさきだけお見送りに行かせて」

めちゃくちゃみさきをからかってる進藤と桃井だけど、二人を応援しててくっついて欲しいって思ってるからなのか、あいつらが二人でいる時間を作ろうとしてる。

「そうだな。じゃあ空港つくちょい前から寝ててくれ。いきなり寝たらさすがにバレる」

「分かってます」


そのあともみさきのびっくりするようなおもしろエピソードをたくさん聞いてゲラゲラ笑ってたら、寝たはずの青峰がリビングに入ってきた。


「さつき、悪りぃけどこれ、明日俺が発った後にみさきに渡してくんね」

「何それ?」

「バレンタインのお返し」

「自分で渡せばいいじゃん」

「いや、俺のいるとこで見られたくねーから」

「もーしょうがないなぁ」

桃井は酔うのも早えーけど醒めるのも早えーからもうすでにシラフに戻ってる。

「じゃあ俺は最後のみさきを堪能するから寝る」

「変なことしないでよ」

「手出したらぶっ殺す」

「ハグまででお願いします」

青峰がみさきの嫌がることをしねぇなんて全員分かってて、冗談交じりに言いたいことを言って青峰をみさきのところに返した。

「かがみんってみさきとバッシュのお店行ったことある?」

「あるぜ」

「それって16歳の冬?」

「あぁ。みさきが日本にいたのはその時期だけだからな」

「え?まさか青峰さんがそれを見てて覚えてたとか言わないよね」

「それどころじゃねぇよ。あいつはそん時みさきに一目惚れしてた」

「え!?」

「あたしもさっき初めて聞いて驚いたけどそうらしいの。大ちゃんの初恋はみさきだったの。あたしも大ちゃんに言われて確かにかがみんが女の子といたことは思い出したけど、まさかそれがみさきだとは思わなかった」

俺だって青峰に言われなきゃそんなことすっかり忘れてた。
一緒にいた俺が忘れてて、見かけただけの青峰が覚えてた。
一目惚れだからってのもあんだろうけど、みさきだからって方がデカい気がする。

「青峰はやっぱ普通じゃねぇな。野生より野生の勘が冴えてるわ」

「「確かに」」


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