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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


レストランについてCEO夫妻との食事をしていて奥様がやけに私を見てくるなって感じてた。

敵視してるとか青峰君との関係を探ってるって言うよりは私自身を見てる感じだった

『だって私、彼女によく似た人を知ってるんだもの』

奥様がそう言った時にまさかと思った。

姉妹を聞かれていないと答えたら核心をつかれた。

『あなた、10年くらい前にパットのチャリティー本でモデルしてなかった?』

嘘は付けない。ビジネスが絡まないとはいえここであたしが嘘をつけば青峰君の信用にも関わる。

『…えぇ。ご存知でしたとは驚きました』

青峰君があたしを見てるのが分かるけど怖すぎてそっちを見れない。

『やっぱり!あの本あたしも持ってるわ。未だに見ることもあるのよ』

『私も持ってます。初心を忘れない為にどこに行くときも持って行ってます』

『じゃぁパットのお弟子さんってあなたなの?』

『はい。全然BOSSには及びませんが、チャンスをいつもいただいています』

『あたしパットによくメイクを頼むのよ。あの本が出た後にあのパットがお弟子さんを取ったって聞いたからどんな人か気になってたんだけど、こんなに可愛らしいお嬢さんだったなんて驚きだわ』

『まだまだ未熟なのでいつか堂々とパットの弟子だと言えるようになります』


デザートが提供されてお食事が終わってCEO夫妻を見送った後ホテルの車を待つためにお店の中に一度戻ることにした。


「……」
怒ってるかな…顔見れない

「おい…」

「はい‼」

「帰ったら聞くからごまかすなよ」

「はい…」


ギャルソンが車の到着を知らせてきて一緒に車に乗りこんだ。

「こっち向け」
ヤダって言いたいけど言ったら怒られるから素直に向いたけど顔を見れない

「そんな怖がるなよ」

「怒ってる?」

「驚いたけど怒ってはねーよ。なんで怒るんだよ」

よかった…怒ってるのかと思ってた。

ゆっくり青峰君の顔を見ると本当に怒ってなさそうでいつもの優しい顔だった。

ホッとして泣きたくなる。

優しい人を怒らせると絶対怖い。

誤魔化したら絶対怒られるから観念して全部話そ。

そう心に決めたものの、ホテルまでの道のりはあっという間で、もう少し落ち着く時間が欲しい。

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