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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side青峰

ホテルが用意した車に乗って行き先を伝えて大回りで行ってもらう。


車の中でも手を腰に回しっぱなしにして座ったみさきを引き寄せて「すげぇ綺麗だ」って言ったら下をむいてちょっと笑ってる。

車の中が薄暗いから顔がよく見えなくて色までは分かんねぇけど下唇を噛むのは多分多分照れてんだろな。



イルミネーションを見ながらホテルから見える橋を渡って大通りに出てレストランに向かった。

上着は着ずに持ってきたけど夜は冷えるからあって正解だった。

「あ、ちょっとごめんね」

そう言って俺のタイを触って曲がってるのを直してチーフを整えてくれた。



レストランについてみさきが上着を預けて、俺が名前を伝えると席に案内されてみさきを座らせると少し緊張してるせいか表情がいつもより硬い

「大丈夫だ。ただの食事だから普段通りでいい」

「うん。変なことしちゃったら脚つんつんしてね」

先方が到着して乾杯して食事が始まった。

『会えて光栄だよ。NBA選手は忙しいから中々こういう機会もなくてね』

『こちらこそお会いできて光栄です』

敬語なんてほとんど使っちゃいねぇけどスポンサー企業にタメ口なんてさすがの俺もやらねぇ。

仕事の話も特にないから本当にただの食事だけど、CEO夫人がみさきをやけに見てるのが気になる。

みさきは視線を感じてるのか目が合うとにっこり笑って夫人と会話もしてるが夫人は何か探るような目つきをしてる。

『黒須さんお仕事は何を?』

『メイクアップアーティストをしています』

『こちらにはお仕事で?』

『はい。光栄なことにNYコレクションに呼んでいただけましてそれで今回こちらに滞在しています』

『こら、そんなに根掘り葉掘り聞くもんじゃないだろ?』ってCEOが笑ってる。

『だって私、彼女によく似た人を知ってるんだもの。気になるわ』

『ご姉妹は?』

『いえ、一人っ子です』

『あなた、10年くらい前にパットのチャリティーの本でモデルしなかった?』

は??みさきがモデル?そんな訳ねぇだろ。言っちゃ悪いがこいつはモデル体型じゃねぇ。


『…えぇ。ご存知でしたとは驚きました』

マジかよ…どうなってんだ。







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