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最愛 【黒子のバスケ】

第6章 take off


離陸してCAから受け取った飲み物を流し込んで、心の準備をしてから今度は俺が聞いた。



「お前、みさきのこと好きだろ」

「あぁ。好きだな」

口ごもった俺とは正反対に、間髪入れずに答えが返ってきたことに驚いたけど、こいつはそういう奴だ。

誤魔化したり隠したりはしねぇ。

予想通りの答えだったけど、思ったよりもずっと堂々と言われて俺の方が面食らった。

「お前、よく恥ずかしげもなく言えるな」

「俺はお前みたいに初心じゃねーんだよ。…けど、悪りぃとも思ってる」

「は?」

何でだよ。
別に悪いことなんかしてねぇし、むしろ俺としてはみさきの初恋が叶うかもしれねぇって思えば喜ばしいことですらある。

「あん時認めなかったけどお前……黒須が好きなんだろ?お前が黒須を好きだって気付いてて俺も好きになったんだから、多少はザイアクカンみてーなもんはある」

「そんなん誰を好きになろうが自由だろ」


俺はあん時返事を返せなかったのに青峰は俺がみさきを好きだと確信してた。

けど、俺とみさきは付き合ってる訳じゃねぇんだから青峰がみさきに惚れたってそれは悪いことでもなんでもねぇ。


つーか、俺も分かりやすいのか…?

俺がみさきを好きって事は多分誰にも気づかれてねぇから、青峰だけに知られてる分には別に問題はねぇ。
色んなやつに知れてみさきの耳に入るとかは避けてぇけど、青峰だけならその心配はない。


「お前、いつから好きだった?」

「いや、よく覚えてねー。気づいたら好きだった」

ガキの頃からずっと一緒でいつからだなんて覚えてねぇ。
けど中学の時は好きって思ってなかったような気がする。

高校で離れてから…か?

よく分かんね…

「ふーん」

聞いたくせに興味無さそうな返事しやがって。

「1番好きなとこは?」

「は?お前高校生みてぇな質問すんなよ!そんなん聞かれたって分かんねぇわ。どこがとかじゃねんだよ。」

「ハッキリしねぇ奴だな。」

青峰と女の話すんの……多分初めてだ。

なんかいつもよりガキっぽくて、初めて見る一面だ。


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