第3章 Chime2
東峰さんと玄関で他愛もない話をする事を楽しみにして過ごすのも、いつのまにかかなり習慣になりつつある
今し方閉じられたドアに目線を向ければ先程の東峰さんの柔らかい笑顔を思い出し自然と笑みが浮かぶ
ピンポーン
と、そこに突然鳴りひびくチャイム音
東峰さん、は仕事に戻ったのだろうし果たして誰だろうか
「名前〜!開けて〜」
聞きなれた声
頻繁に来るこの人はいつからの付き合いだろうか
「またいきなり来て…今日はどうしたの?」
「ん〜名前のご飯が食いたくなっただけ」
まるで自分の家のように上がってきたこの人はわたしの幼馴染
わたしのサイズで揃えてある家具には到底収まりきらない身長で、ベットに体育座りをしたかと思うとそのままストンと横になり丸まった
高身長だけどその仕草からかまるで猫のよう
銀に近い灰色のサラサラの髪に青く澄んだ硝子玉のような瞳
彼を猫に例えるなら大型のメインクーンかノルウェージャンかな、と想像しクスッと笑う