第3章 Chime2
ピンポーン
「宅配便です〜」
「はーい!東峰さん、お疲れ様です」
今日は真夏日
外はうだるような暑さで、東峰さんの首筋に汗が伝っている
移動の車内は冷房がついているだろうし、冷えて風邪を引く事を危惧して少しだけ待っててもらう
「よかったらこれ、使ってください」
よく来る来客用にと買って洗濯をしておいたふわふわのタオルを渡す
「え、いいんですか?」
「どうぞ!そのまま冷えて風邪を引かないようにして下さいね」
「ありがとう」
何回みてもこの笑顔には癒されるな、とわたしもつい笑顔になると
東峰さんがはっと息を呑んだ
「どうかされました?」
「い、いえなんでも!じゃあもうそろそろ」
「はい、頑張って下さい」
暑さのせいかまた汗を流した東峰さんは慌てたように次の仕事へ向かって行った