第3章 Chime2
「リエーフ、今から作るの少し時間掛かるから先にお風呂入ってて。どうせ泊まってくんでしょ?」
「さすが名前。お先入りま〜す」
彼の名前は灰羽リエーフ
ロシアと日本のハーフだが生まれも育ちも日本なのでロシア語は全くもって話せない
因みに日本語も少し怪しい…と、これは本人に聞かれたら拗ねられるな
彼とは保育園のときからの友人で一般的にいう幼馴染というやつだ、まぁ腐れ縁に近いものだが
小学校も中学校も高校までも一緒だったからか、大学が別になり頻繁に会えなくなると実家暮らしのリエーフはしょっちゅうわたしの部屋に来るようになった
いつもはただ他愛もない話を延々としてお互い楽しみリエーフはそこまでの長居はしないのだが、学校で何かあったり大好きなバレーで落ち込んだ時など元気がないときはいつも油揚げを買って泊まりにくるのだ
今日もそう
先程部屋に上がる際に渡された袋には彼の大好物であるおいなりさんの材料、油揚げ
リエーフママとのご飯作りがマイブームだった頃に作ってからというもの、彼はこのおいなりさんをえらく気に入ったらしい
粗方下準備が終わる頃にはリエーフもシャワーを終えまたソファーに体育座りをしてテレビをみていた