第2章 Chime1
ピンポーン
「宅急便です!」
チャイムが鳴り玄関を開けると先程の電話と同じ声
実際はかなり背の高いお兄さんだった
スポーツなどをしていたのか荷物を軽々と持っている
水を箱買いするのは毎月なのだが、これがかなり重くいつものおじさんは台車で運び込み、玄関から部屋まで一緒に置きにきてくれるのだ
「これ結構重いので部屋まで運びますよ」
「ありがとうございます」
この人は重くないのだろうかと疑問に思うが、涼しい顔で指定した場所まで運んでくれた
「ありがとうございました」
「いえ!全担当者から運んであげるよう頼まれてたので!」
「あ、前のおじさんですか?」
「はい、今日からこの地区の担当が僕に変わったんです」
「そうなんですね、ではこれから宜しくお願いします!」
「こちらこそ!」
目尻を下げるようにして笑うその顔に少し体温が上がった気がした
背が高くがっしりした体型、長めの髪を後ろで束ねて髭を生やしたお兄さんは一見怖くも見えたけど
笑った顔はとても可愛いく見えた