第10章 Chime8
ーーーいったい何が起きているのだろうか
ダイレクトに伝わる東峰さんの早めの鼓動
背中に回された逞しい腕
そして……懇願するような声色と隙間ないくらい密着した体
全部全部、熱くて
思考が追いついてきてくれない
気づけばいつの間にか体は離されて、手には連絡先が交換された携帯
「…連絡、するね」
「はいっ」
思考が追いつかないまま慌てて返事をしたせいで声が裏返る
わたしの携帯には東峰さんの仕事用じゃない連絡先が登録されたんだよね
連絡、してもいいんだよね
「………嬉しい」
「…っ」
嬉しくて頬が緩むのが抑えられない
そして無意識に溢れたわたしの声にはっと息を飲む東峰さん
すると東峰さんの顔がどんどん赤みをましてゆく
そしてそれを隠すように顔を反らしながら腕で口許を隠すとすみません今日は帰りますと慌てた様に帰って行った
………何が起きてたんだろ、
あれ、なんでわたし抱き締められてたんだっけ
えっとリエーフが頬にキスしてきて、それを東峰に見られて
えっとあれ?警戒心がなんたらって…
だめだ、ショート寸前だったから殆ど覚えてない…
…なんで東峰さんはわたしの事抱き締めたの…
知恵熱が出そうになったわたしはベットに横になるとすぐに深い眠りに落ちた