第10章 Chime8
「名前最近元気ない。なんで?」
あれから恥ずかしくなってしまったのと東峰さんは何も悪くないのに追い出すように強引にドアを締めてしまった罪悪感などで会いたくなくて通販はしていない
でも明日は配達の日なのだ
そんなこんなで考え込んでしまっていたのだろう
泊まりにきているリエーフにズバッと聞かれてしまう始末だ
「大丈夫、ちょっと考え込んでただけだから」
「…ふーん。よっと」
「うわ!?」
隣に座っていたリエーフはわたしの返答に満足しなかった様で腑に落ちない顔をしていたかと思うといきなりわたしを抱え上げ横抱きの様にわたしを膝の上に載せた
「手、俺の首の後ろに回して」
「えっなんで」
「いいから、ほら」
手を捕まれリエーフの首の後ろに誘導される。大人しく従うと今度はわたしの背中に手をまわしそのままぎゅーっと抱き締められる
「人って抱き合うとストレスがケイゲンされるんだって。だから10分はこのままね」
大きい体と高めの体温に包まれ確かに安心する
「…名前好きな人出来たでしょ」
「…うん」
「前に言ってた癒やしの友達?」
「…うん」
「…辛いならさ、頼ってよ。幼馴染なんだからさ」
「…っうん」
「あんまり俺のこと放置するとまたちゅーするから」
「…うん、うん??」
…なんか物騒なセリフが聞こえた気がする
ぐいっと力を込め少し体を離して顔を見るとやはりニヤニヤしているリエーフ
「まぁそれはしたら名前怒るからしないけどさ、抱きしめるのは俺の特権だよ。名前専用ストレス発散装置!」
「なにそれ、でもありがとリエーフ」