第10章 Chime8
そういえばとふと思った事がある
東峰さんとだいぶ親しくなり最近はたまにカフェにも来てくれるようになった
担当が変わったのが4月
定期的なお水の配達の他に月に何回か趣味として通販をして、もう半年以上経つのだ
最近はもう上着を手放せなくなってきた事に時間の流れの早さを感じる
そして、東峰さんの事が好きだと自覚して2ヶ月ほど経った
そこでふと思ったのだ
東峰さんの事何も知らないな、と
知っている事といえば下の名前は旭ということ、2つ年上ということバレーをしていたということ、そしてとても優しく笑うということ
これだけで彼女さんがいるかどうかもわからない
もっと東峰さんの事知りたいなと、前までは少しでも話せるだけで楽しかったのにどんどん欲張りになっている
これが片想いというやつなのか
連絡先、聞いたりしたら迷惑だろうか
色々と考え込んてベッドにポフンと倒れ込んだ
言い忘れていたが今は学校が終わって家にいる
そして、お水の配達がくる日である
もうそろそろ来る時間だろうと先程から一人で考えながら時計をちらちら見てしまうのを繰り返している
とそこにチャイムが鳴った