第9章 Chime7
「リエーフの事なんですけど…今までずっと近い存在、友達よりも親友よりも近い家族のような距離感だったんです」
そこからある程度この前の出来事を話した
告白された、とは言わなかったがスガさんは察していると思う
「普通なら少し距離を置いたりするべきなんでしょうし、わたしもそう思うんです。でもこのままの距離でいたいと思ってしまっているのも事実で…どうすればいいのか悩んでいます」
「…………そっか。幼馴染ってさ俺はいないからわからないけど、人それぞれ色んな距離感があると思う。リエーフも名前ちゃんもその距離が落ち着くならさ、今のままでいんじゃないかな」
わたしの話を噛み砕くように少し沈黙したスガさんは柔らかい表情で答えてくれる
「まあ名前ちゃんにもし彼氏がいるとしたらちょっーと考えなきゃだけどな!修羅場だ修羅場〜」
「もうスガさん!」
スガさんはわたしに彼氏などいないのは知っている
その理由がバイトの女子友達に恋話というものに引き込まれたときあたりまえのようにスガさんも混ざってきたからということがあったからなのだがその話は今はいいだろう
きっと雰囲気を変えるために気を使ってくれたんだな
リエーフもこのままの距離でいると言っている
わたしもこのままの距離でいたいと思っている
ならもう少しお互いにお互いよりも大切な人ができるまで、この距離でいよう
「スガさん!ありがとうございました、おかげですっきりしました」
「遠慮なくいつでも相談してな!」
「はい!」
そしてあまり遅くならないようにとすぐに解散し帰路に着いた