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【ハイキュー!!】ドアをひらけば

第8章 Chime6





「リエーフ、」


「好き、!好きなんだ…」


縋るように抱き締められる


胸が痛い、


どうすればいいか、わからない


リエーフは幼馴染として好きだけど、恋愛での好きではない
リエーフもずっとそうだと思っていた


リエーフから溢れた好きを受け取れないのに、
このまま今の距離でいられなくなるのは凄く嫌なのだ




自分が凄く嫌な奴なのだと思った



リエーフから告白されて、東峰さんへの気持ちに気づいた
なのに、リエーフと他人になるのは嫌だ多少遠くなっても幼馴染でいたい




「リエーフ、ごめんわたし…」


「わかってる!…わかってるよ、どんだけずっと一緒にいたと思ってるの」


「…………」


「ちゃんと幼馴染の距離に戻るよ、だからさ、今日だけお願い聞いて?」


「…うんっ」


「暫く目、瞑ってて」


「わかった」


泣いてる顔を見られたくなかったのだろうか、などと考えていると唇に柔らかい物が当たった
慌てて目を開けると至近距離にエメラルドグリーンの瞳
咄嗟に身を引こうとしたが長い腕で腰と後頭部を引き寄せられて逃げられない
息が苦しくなり口を開くと温かいものがするっと侵入してきた
半ばパニックになり舌を縮めて奥へ逃げるが、あっさり捕まり絡めとられる
鼻から抜けた息と共に掠れた声が漏れる
唇が離れる頃には目じりから生理的な涙が伝っていた





暫く荒い呼吸を繰り返し、漸く冷静になると
恥ずかしさよりも怒りがこみ上げてきた


「…リエーフ!」


「素直に目を閉じるのが悪いー」


「それはリエーフが!わたしファーストキスだったんだよ!?」


「知ってる、ファーストキス貰うくらいしなきゃ割に合わないし」


「もう!」


「はいはい、幼馴染の名前さん、もう寝よ、おやすみ」


「…おやすみ」







なんだかんだ怒りつつもいつも通り幼馴染の会話に安堵したわたしはすぐに眠りについた
だからその後





「ファーストキスなんてとっくに俺が奪ってるんだけどね」





リエーフがこんな事を呟いていたなんて多分、一生知らないまま

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