第8章 Chime6
あれから東峰さんは前よりも優しい目でわたしを見るようになった気がする
朗らかに話しながらも彼の温度を思い出してまた触れて欲しいと思ってしまっているわたしの目は、彼にどう映っているのだろうか
それと少し変わった事がもう一つ
リエーフがよく忘れ物をするようになった
ある時にはお水の箱を置いてもらっている棚の上に腕時計を置いていってしまったり
ソファーの上に上着を置いていってしまったり
玄関の棚の上に帽子を忘れて行ってしまったり
最近泊まりに来たときも、ふとしたときに考え込むような仕草をしていたり、こちらを見て悲しい顔をしたりと何かあったに違いない
今日もくると連絡があったし、おいなりさんを作って待っていよう