第7章 Chime5
19時を過ぎた頃だろうか、再びチャイムが鳴る
きっと東峰さんだ
ドアを開けるとやっぱり、さっきまでずっと考えていた人物
「すみません、こんな押し掛けるように来てしまって」
「いえ…」
「…確認、したい事があったんです」
確認?何だろう、
「名字さん俺に触られて、嫌じゃなかったですか」
その言葉を聞きやっと引いた熱がまた戻って顔が熱くなるのを感じながら東峰さんの言葉を考える
東峰さんに触られて、近づかれてわたしはきっと…
「嫌、じゃ…なかったです」
そう答えると目の前の彼から長い長い息が漏れる
「よかった」
安心したように眉を下げて笑う彼を見た途端無性に胸が苦しくなった
何だろう、わたしに何が起きているんだろう
「今日はそれだけ確認したくて、じゃあ、お邪魔しました」
「あっはい、」
あっさりと、東峰さんは帰っていった
東峰さんが帰った後、また一人で考えてみる
頬に触れられたとき、顔を近づけられたとき、見つめられたとき、
全て、嫌じゃなかった
むしろ…
この気持ちが恋と言うものなのだろうか、
まだわからないけど、
そうであればいいな、と思った