第6章 Chime4
3人がバレーをしているところを見ていると段々と眠くなってきた
そう感じた頃には視界もうつらうつらで
何時の間にか微睡みの中に落ちていった
「あざーっす!お疲れ様でーす!」
「「ウェーイ」」
自主練もここまでと、やっと夜久さんと黒尾さんの扱きが終わって自然と2階席に視線を向け名前を探す
とそこには気持ち良さそうに眠る名前
「あー名前ちゃん寝ちゃってるね〜」
「寝顔みちゃダメです!!」
黒尾さんがニヤニヤしながら見ていた気がして慌てて端に投げていたジャージの上着を掴み2階へ走る
名前の元に着くと彼女には大き過ぎるそれを肩から掛けてやる
こんな可愛い寝顔を他の人に見せる訳にはいかない
「名前!起きて!練習終わった!」
顔を近づけて声をかけるが一向に起きる気配のない彼女
仕方無しに小さい頃から起こすときにしている行動に出る事にした
ゆっくりと顔を近づけ彼女の頬に唇を宛てがう
するとふるっと睫毛が揺れゆっくりと瞼が持ち上げられる
「……りえ…ふ?」
「起きてよ眠り姫、練習終わったから帰ろう」
「うん」
昔から声を掛けてもダメなときの名前はこうしないと起きない
でも俺はあまりしたくない
だって、頬なんかじゃなくて別のところにしたくて堪らないから
でもそれをしてしまったら俺の事を幼馴染としか見ていない彼女はきっと今までの関係でいてくれない、"幼馴染"が今の所誰よりも1番近い距離だから
彼女の隣に居続ける為にまだ、我慢をする