第6章 Chime4
電車に乗り約15分
リエーフの大学は結構近い
実家からよりもわたしの家からのほうが大学に近いのも頻繁に泊まりにくる理由の一つだ
体育館が近づくに連れボールが床を叩く音やバッシュの摩擦音、掛け声や怒号が大きくなる
「もっと重心下げて受けろ!!」
その中で一際大きく聞えてきた声に眉をしかめるリエーフ
「げっ、今日黒尾さんいる」
今の声は黒尾さんらしい
わたしも黒尾さんとは同じ高校だったしリエーフから話を聞いているからなんとなくどんな人かは知っているが、実際会ったことはない
リエーフに絶対会っちゃダメと断固拒否されていた
そんなに怖い人なのだろうか
体育館には2階に見学スペースがあったのでわたしはそこに移動する
と、見知ったシルエットが
「…夜久さん?」
「?…あれ、名前??」
「うわぁお久しぶりです!」
夜久さんは委員会が一緒で元から知り合いだった為リエーフに紹介して貰った事がある
普段はとっても優しいがバレーでリエーフにアドバイスをしているときは鬼らしい
あれ、黒尾さんより夜久さんのほうが怖くない?
「今日はどうしたんだ?」
「リエーフに連れてこられました、夜久さんは?」
「あははなるほどね、俺は黒尾から練習後にリエーフ見てくれって」
「バンバン扱いてあげてください」
「勿論」
高校時代と同じノリにお互いクスッと笑い合うと丁度いいタイミングでホイッスルが鳴った
試合形式の練習をするらしい