第6章 Chime4
「「ただいま」」
慣れすぎてリエーフもただいまと言う事に少し笑ってしまう
そんなリエーフは部屋に上がるとベットにゴロンと横たわりわたしのお気に入りのくまのぬいぐるみが不細工な顔に潰れるほどの力で抱き締めている
……本当にどうしたのだろうか
まぁ取り敢えずリエーフは放っておいてシャワーを浴びる
コーヒーの香りはいいのだが忙しいと汗をかいて気持ち悪い
熱めのお湯を浴びてさっぱりしたい
「リエーフ、次シャワー使っていいよ…って寝てる」
シャワーから出るとリエーフはすやすやと寝てしまっていた
くまを開放せずに
相変わらず長い睫毛だな
気持ち良さそうに寝息をたてるリエーフのサラサラの銀髪を優しく撫で、普段は恥ずかしくて滅多に呼ばない名前を口に出してみる
「おやすみ、レーヴォチカ」
と、途端に強い力で腕を引かれベットにダイブする
「リエーフ!起きてたの?」
「…レーヴォチカって呼んでくれないの」
「だって恥ずかしくて」
狸寝入りしていたリエーフに引っ張られベットの上でくまの代わりに抱き締められているわたし
可哀想にくまはベットから放り出された
レーヴォチカとはリエーフの愛称でアリサはよくそう呼んでいる
わたしも小学生の頃はそう呼んでいたが、みんなはリエーフと呼んでいる為なんとなく恥ずかしくて滅多に呼ばなくなった
それより、なんで今日はこんなにも甘えん坊になっているのだろうか
「俺のほうが…俺のほうがずっと先だったのに」
「なにが?…んっ、ちょ」
ボソっとよくわからない事を呟くと頬に唇を寄せてきた
スキンシップの一端なのかアリサにもよくされるが未だに全く慣れない