第6章 Chime4
あっやばい急がなきゃバイト遅れちゃう
今日は大学が終わってから閉店までの時間にシフトを入れてある
授業を受けながらもずっと手にとって眺めていたバレッタをカバンにしまい少し早歩きでカフェに向かった
「おはようございます」
いつものように挨拶をし更衣室で着替えをする
いつもと違うのは、
「あっ、名前ちゃんそのバレッタ似合ってるね」
東峰さんに貰ったバレッタをつけていること
いち早く気づいたスガさんが意味有りげに微笑みながら声を掛けてくれた
「ありがとうございます、お気に入りで」
「なに?誰かからのプレゼントとか?」
何故だろうか、スガさん若干ニヤけていないか?
「プレゼントというより、頂き物といいますか、」
「ふ〜ん」
いやこれニヤけてる、絶対ニヤけてる必死に我慢してるみたいに見えるけど絶対ニヤけてる
「スガさん、なんでそんなにニヤけてるんです?」
「いやっ?そんなことないべ!」
「…………」
「ほらほら仕事開始!今日お客さん多い日だよ!」
「…はーい」
絶対何か隠してるけど、いつまでも話してられないし渋々作業を始めた
今日は金曜日
このカフェは金曜日のこの時間からクローズまでがかなり混雑するのだ