第4章 Chime3
そして何もなく普段通りの1週間が過ぎ、今日は月一のお水の配達日だ
東峰さんに会える日はいつもより少しうきうきする
ピンポーン
「宅配便でーす」
「はーい!」
このやりとりで聞こえてくる声も、もう大分聞きなれた
「いつもお疲れ様です」
「いえ、あっと…これこの前のタオル、ありがとうございました」
「いえいえっ東峰さんが風邪をひかなくてよかったです」
「っ…あと、これお礼っていうかなんというか…どうぞ!」
「えっ!ありがとうございます!」
顔を真っ赤にしながら東峰さんが渡してくれた小さな箱を受け取る
アイボリーの箱にシャビーなサーモンピンクのリボン
とても可愛い
「あの、開けても?」
「え"、はっはい…なんか緊張しますね」
…そんな事言われたらわたしも緊張する、
ゆっくりと箱を開けてみると、細めの楕円形のバレッタが入っていた
金とアイボリーの細かい装飾がしてあるが決して華美ではなくとてもナチュラルに落ち着いている
「可愛いっ」
ひと目で気に入ったので、早速今つけて見る事にした
包んであった箱を横のボックスの上に置き、バイト以外ではいつもおろしている髪を軽くハーフアップに纏めてバレッタをつける
「東峰さん、ありがとうございます!」
「……………」
「東峰さん?あの、」
「……あっいや…その……………凄く、似合ってます」
「…っ!」
東峰さんに見えるように一度くるっと後ろに顔を向けてからお礼を言うと、まさかの真っ赤東峰さん再び
でもその後
とっても優しく微笑んだ東峰さんにじっと見つめられて
今度はわたしが真っ赤になる
なんだか恥ずかしくなってしまい少し俯くとゆっくりと片方の頬を大きな手で包まれびっくりして上を向く