第4章 Chime3
頬が、熱い
頬を包む手が熱い
そして……東峰さんの目線が、熱い
一度目があってしまうと、何故か反らすことが出来ない
恥ずかしい、熱い、、
吸い込まれそう
東峰さんの瞳に吸い込まれそうになったところで鳴り響く携帯の着信音
東峰さんは、はっと息を呑み慌てて手を離した
「あっ…とごめん、俺仕事戻ります!」
「っはい、頑張って下さい!」
パタンと閉じられたドアを見ながらその場に力なく座り込む
………びっくりした
あのまま、携帯が鳴らなかったらわたしはどうなっていたのだろう
何故、東峰さんから目が反らせなかったんだろう
まだ、頬が熱い
この日から少しでもぼーっとすると頭に浮かぶのは東峰さん
何でこんなに考えてしまうのか
何で思い出すだけで頬が熱くなるのか
この現象はいったい…………
色々と経験不足なわたしはまだ、この感情の名前を知らない