第3章 Chime2
こうしてリエーフの腕の中にいるのはあながち嫌いじゃない
むしろ好き
灰羽家が姉弟揃ってスキンシップが激しめなせいか、それで慣れてしまったわたしはこうして人にくっつくことが好きなほうだ
因みにお互い恋愛感情はない、と思う
こうして抱き合っていても癒しがあるだけで恋人とのそれのようにドキドキはしない
まぁ目の前の彼のせいもあり彼氏はいた事がないのだが
登校下校しまいにはお昼休みから休み時間まですぐに隣にきたがるリエーフをみて周りのみんなはわたしたちをセット扱いするからだ
わたしが仲いい男子と話しているとどこで察知したのかいつのまにか近くにいるか後ろから抱きついてくる
幼馴染が離れていくかもしれなくてやきもちを焼いていると本人が言っていた
少し可愛かったから許した
そんなこんなでリエーフは何でだか知らないがお互い恋人ナシ
でも恋愛感情はない仲の良い幼馴染
それがわたし達だ
「ところでリエーフさんや、そろそろお皿片付けたいから離して」
「えー」
「お皿洗ってわたしもお風呂入ってからならいいから」
「んー、じゃあ早くね」
「了解」
そんなリエーフは獅子って意味なのに、どう見ても甘えん坊の猫にしか見えなかった