第3章 Chime2
「おまたせ」
「おっいつも通り美味そう!ねぇ食べていい?」
「うん食べよ」
「「いただきます」」
うまいうまいとパクパク食べ進めていくリエーフをみながらこういうところは猫というより犬かな?などど考えているとふと目があった
「名前なにかあった?」
「え?なんで?」
「なんか嬉しそう」
なんでだろう、いつも通りだと思うんだけどな
強いて言うならば東峰さんとお話できて癒された事くらい
「最近なんか機嫌いいけど趣味でもみつけたの?やたらダンボールあるし」
「あはは、うん趣味になるのかな?」
「??」
確かにダンボールが増えてるからそろそろ纏めて処分しなきゃな
それにしてもリエーフよく気づいたな
「最近癒やしをくれるお友達ができたの」
「………男?」
「?うん、そうだけど」
「ふーん」
何故か拗ねたようにプイと視線を逸すリエーフ
何か気に触るような事を言っただろうか
それよりも
「で?リエーフは今日どうしたの」
「…またレギュラー落ちした」
「それで黒尾さんにしごかれたとか?」
「うん…」
高校からバレーをしているリエーフは大学でもバレーを続けそこで高校時代主将だった黒尾さんと再会したらしい
黒尾さんは卒業してからもたまに練習に顔をだしているそうだ
でもやはり大学は高校よりも厳しくレシーブが苦手なリエーフはここ何度か続けてレギュラー落ちをしている
「大丈夫。だってリエーフはなんだかんだ練習沢山してるし、それに。諦める気はないんでしょ?」
「うん」
「まぁでも無理はしすぎないでね、ここ、この前はなかったのに痣だらけ」
そう言って彼の腕に出来ている真新しい痣をそっと撫でた
するとスルッと長い腕がわたしの背中にまわりぎゅーっと効果音がつきそうなほどの圧力で抱き締められる
彼曰くこれが癒しらしい
はじめはそりゃ驚いたけどもう慣れたものでリエーフの背中に手をまわすと優しく撫でる
こうしていると本当に大型の猫を抱っこしているようだ