第18章 短い命
先ほどから二人は辺りを見回しながら爆豪達を探すが一向に見つからない。
更には呼びかけても返答はない。
ここで爆豪派閥。
彼には煽りこそ効果覿面だと知っている。
上「爆豪ぉーーー!!!居ねぇのかーー!!?生きてるかーー?」
爆「うるせぇアホ面!!!余裕で生きてるわ!!!!」
ニカっと顔を見合わせた上鳴と切島は声の元へ駆け寄る。
切「おぉー、こっちだったか!姿見えねぇから探したぜ。」
上「やっぱも一緒だなー。」
かぁーっ、妬けるぜ!と後頭部で手を組む。
当の本人は我関せず。
黙々と草をむしり続けていた。
すると突然彼女に影がかかる。
轟「ほら、水飲め。」
『ありがとう。』
汗をかいたペットボトルを受け取るとゴクゴクと喉を渇きを癒した。
半分まで飲んだところでふぅと一息吐く。
爆「ちったぁマシになったかよ。」
『うん、勝己もありがとう。』
爆「べつに………。」
そっぽを向く爆豪に微笑むとは事情を説明した。
切「喉が渇いてフラフラしてたってそれ熱中症じゃねぇか?」
上「倒れる前に休んだ方がいいって!」
轟「俺もそう思う。」
爆「こいつ言う事聞かねーんだわ。みんな頑張ってるのに自分だけ休めないとか生意気言いやがって。」
『だって………。』
切「でもよ、倒れたら本末転倒じゃね?」
上「そーそー。」
『ゔっ……………ゔーん。』
唸りを上げるに突然轟が身体ごとピタリとくっついた。
『え!?ど、どうしたの!?』
爆「今すぐ離れろ半分野郎!!!!」
すっかり敵顔の彼の言葉を無視し、の手を掴み、そのまま絡める。
上「お前も熱中症か!?中で休むか!?」
轟「心配要らねぇ。を冷やしてるだけだ。」
はた、と見れば触れているのは冷却の個性がある右半身のみ。
火照った身体にはやはりありがたいようで彼女はされるがままでいた。
『んー、気持ちいい。』
の緩みきった顔を見て男どもは自分にも氷の個性があれば……と悔やんだのは言うまでもない。